奈良県の方言(奈良弁)を一覧表で一挙にご紹介していきます!
意味や例文もご紹介しているので現地に行って言葉の壁を感じた時はこの表をみて奈良弁をマスターしてください!
奈良弁方言一覧表(ア行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
あいさに | たまに。時々。 | あいさにわしとこへも遊びにきとくんなはれ | 時々、私のところにも遊びに来てください |
あいやこ | 共有。 | 荷物がふえてもなんぎやさかいに、この道具、あいやこしょーか | 荷物が増えても困るので、この道具、共有しようか |
あくち | 口のふちが赤くただれる。 | おまはん、最近忙しいのかしてあくちきれてるがな | あなた、最近忙しいからか、口のふちが赤くただれてるよ |
あっぺ | 大便〈幼児語〉。 | しっかりきばってあっぺ出しなはれ | しっかりきばって大便をしなさい |
あまい | 菓子の総称。 | 昨日、おっちゃんとこで食べたあまいはおいしかったなあ | 昨日、おじさんの家で食べたお菓子はおいしかったね |
いけいけ | 間に合わせ。相殺 | おまえからかったお金、今日のひる飯でいけいけにしてなあ | あなたから借りていたお金、今日の昼食代で相殺にしてね |
いっけ | 親戚。 | うちときーやんとこは昔からのいっけや | 我が家ときーちゃんの家は昔から親戚だ |
いぬ | 帰る。 | わし、もう仕事すんださかいにぼちぼちいぬで | 私は仕事が終わったので、そろそろ帰るよ |
いのく | 動く。 | 細かい仕事してんねんさかい、いのくな | 細かい仕事しているのだから、動くな |
いらう・いろー | 触る。 | ごちゃごちゃいろたらあかんがな | ごそごそと触ったらだめじゃないか |
うんつく | 馬鹿者。 | こんうんつくめ、何ぬかしてんのど | この馬鹿者め、何を言ってるのだ |
えらい | たいそう。大変。※ 「賢い」「苦しい」「つらい」の意も。 | えらい火事や、誰ぞみてきい | 大変な火事だ、誰か見てこい |
えーし | 資産家。よい家柄。 | 高田のまちで商売したはる家はみなえーしばっかりや | 高田のまちで商売していらっしゃる家はみんな資産家ばかりだ |
おこり | マラリヤ・マラリアによるふるえ。 | おじいちゃんは南方からの復員やさかいにようおこりにならはるわ | おじいさんは南方からの復員兵なので、よくマラリアによるふるえが起こるなあ |
おたいまつ | 東大寺二月堂の修二会。※ 「お水取り」とも。 | 奈良はおたいまつが終わらんと春がけーへんなあ | 奈良では東大寺二月堂の修二会が終わらないと春が来ないねえ |
おとろしい | わずらわしい。 | そんなおとろしいことわしよーしゃんで | そのようなわずらわしいことを私はできないよ |
おとんぼ | 末っ子。※ 男女を問わず、末っ子のこと。 | 隣のおとんぼ、嫁さんもらわはるらしいで | 隣の末っ子、嫁さんをもらうらしいよ |
おんづまり | 無理の結果。※ 無理を重ねたためどうにもならなくなること。 | しまいにおんづまりが来るで | 最後にはどうにもならなくなるぞ |
奈良弁方言一覧表(カ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
かいとまわり | 〈へび〉青大将。※ 奈良では集落のなかがいくつかの垣内(かいと)と呼ばれる小区画に分かれていて、青大将はこの垣内をまわると言われている。 | かいとまわりは家の主やで殺さんときや | 青大将は家の主なので、殺さないようにね |
かえこと | 交換。 | わしの福袋とおまはんの、かえことしてんか | 私の福袋とあなたのを交換してよ |
がしんたれ | 吝嗇家。けち。 | あいつは、ほんまにがしんたれや | あいつは本当にけちだ |
がっそ | 頭髪がぼうぼうとしている状態。 | えらいがっそな頭して、どないしたん | たいそうボサボサな頭髪だけれども、どうしたの |
きさんじ | 素直。きまじめ。 | この子は親のゆーことをよく聞くきさんじなぼんやなー | この子は親の言うことをよく聞く素直な男の子だねえ |
きっしょ | しおどき。 | 病気をきっしょにたばこをやめた | 病気をしおどきにたばこを止めた |
きりこ | 餅を「サイ」の目に刻んだあられ、焼いて粥や茶に入れてたべる。 | 冬はおかいさんにきりこ入れて食べるのが一番や | 冬は粥に「サイ」の目に刻んだあられを入れて食べるのが一番だ |
くもじ | 菜漬物。大根菜のつけもの。 | おせち料理にもあいたさかいにくもじでぶぶ漬け食べとこか | おせち料理に飽きたので、菜っ葉の漬け物でお茶漬けを食べておこうか |
こすい | ずるい。 | おまえはなんでそねんこすいねん | おまえはどうしてそんなにずるいんだ) |
奈良弁方言一覧表(サ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
さかむけ | 手の爪の付け根の皮膚が細長くむける症状。 | あんたは親不孝やさかいにさかむけいくねんで | あなたは親不孝なので、手の爪の付け根の皮膚が細長くむけるだよ |
さかめいる | 酒乱。 | あいつがさかめいったら難儀やで | あいつが酒乱になったらたいへんだよ |
しょーぶわけ | 形見分け。 | おばあさんのしょーぶわけに西陣の帯もろてん | おばあさんの形見分けに西陣織の帯をもらったんだ |
しわい | けち。吝嗇な。 | あこのうちは婚礼やゆうてもしわいなあ | あそこの家は結婚式だというのにけちだねえ |
じょうだり | いつも。 | うちの姉ちゃんはじょうだり食べたはるねん | 我が家の姉さんはいつも食べているの |
ずつない | 体調や気分がわるい。 | ゆーべ夜ふかししたよって、ちょっとずつないねん | 昨夜夜ふかししたので、少し気分がわるいんだ |
せすい | 利益の薄い。 | この儲け、そねんせすいんか | この儲けは、そんなに薄いのか |
せたらう | 背負う。 | この風呂敷をせたらって(せたろーて)帰ってんか | この風呂敷を背負って帰ってね |
せんぐり | 次々に。 | 秋祭りのだんじりはせんぐり出てくるなあ | 秋祭りのだんじりは次々に出てくるねえ |
せんど | 何度も。十分に。 | あの子にはせんどゆーて聞かしたはずやで | あの子には十分に注意したはずだよ |
そーのー | 家屋に隣接する畑。 | ちょっと悪いねんけどよ、そーのーでネギとってきてくれよ | ちょっと悪いのだけれども、家の隣の畑でネギとってきてよ |
奈良弁方言一覧表(タ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
たいこうさん【太閣さん】 | 背丈の低い人。 | うちのお父ちゃんは太閤さんやさかいにお母ちゃんより小さいねん | うちの父は背丈が低く、母より小柄なんだよ |
たばる | 神仏の前から供物を下げて戴くこと。 | 仏さんの団子たばってきてよばれようか | 仏壇に供えてある団子を下げてきて、食べようか |
ため | 贈答品の返礼。 | 結婚祝いのためは一割が相場や | 結婚祝いの返礼は一割が相場だ |
ちょつくぼる | しゃがむ。 | そんなとこでちょつくぼってんとこっちおいで | そんなところでしゃがんでいないで、こっちへおいで |
つかえる | 混雑する。 | この時間、大安寺のへんはえらいつかえてんでえ | この時間、大安寺あたりはすごい混雑している |
つべい | できる。 | もう中学生やで、ひとりで行くつべい | もう中学生なのだから、ひとりで行くことができる |
てれこ | 反対。逆さ。※ 裏表・前後・上下などが逆であること。 | おまはんの服、そら、てれこやがな | あなたの服、反対じゃないか |
てんごする | 戯れる。いたずらする。 | 誰や、ここおいといた自転車てんごしたんわ | 誰だ、ここにおいてあった自転車にいたずらしたのは |
とこぎり | 徹底的に。十分に。 | 長い道中帰ってきてんさかいに今晩はとこぎり食べて | 長い道中帰ってきたんだから今夜は十分に食べてね |
とこねん | 夕涼み用の台。 | 仕事をしもて、とこねんで食べるまっかはほんまおいしいなあ | 仕事を終えて夕涼みの台に座って食べるマクワウリは本当に美味しいね |
とっきょり | 盆や正月などのハレの日。祭りなどの休日。※ 「遊山の日」の意でも用いられる。 | おかあちゃん、今日はえらいごっつおやな。とっきょりやさかいけ | お母さん今日はすごいご馳走だね。ハレの日だからか |
どやぐ | 大声で叫ぶ。 | そないどやがんでも、聞こえてるがなあ | のように大声で叫ばなくても、聞こえているよ |
どやす | 〜りとばす。なぐる。 | お客さんになめた口きいてたら、おやっさんにどやされる | お客さんに生意気な口をきいてたら、親方に〜りとばされる |
奈良弁方言一覧表(ナ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
ながたん | 包丁。 | 子どもがそんなながたんもって、てんごしたら怪我すんで | 子どもががそんな包丁もって、いたずらしたら怪我するぞ |
にこ | 道から立つ白い土埃。 | 農道を舗装してくれはったさかいに雨がふらんでもにこがたたんな | 農道を舗装してくれたので雨が降らなくても白い土埃が立たないね |
ねき | そば。 | タケやんの母屋は宮さんのねきにある家や | タケさんの実家〈本家〉は神社のそばにある家だ |
奈良弁方言一覧表(ハ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
はそん | 修繕。 | 台風で土手がくえたさかいにはそんしてきたで | 台風で土手が崩れたので修繕してきたよ |
はちがつだいみょう | 家の八月は、大名のようにゆっくりできることからこのように呼ばれる。 | もうたーの水も心配せんでええし、この時期の百姓はほんまはちがつだいみょうや | もう田んぼの水についても心配がないので、この時期の農家はほんとうに大名のようにゆっくりできるね |
はわす | もらいものをよそへ回す。 | わしこの土産あんまり好きちゃうさかいに、隣へはわそか | 私はこの土産はあまり好きではないので、隣へ回そうか |
はんざいこ | 隙間。 | あおんじょ、家と風呂場のはんざいこへ入りよったわ | 青大将が、家と風呂場の隙間へ入って行った |
はんつ | 数の不揃い。 | この靴下、片一方しかないさかい、はんつかなー | この靴下、片一方しかないから、不揃いかもねえ |
ひだるがみ | 山中で出くわす悪霊。※ これに取り憑かれるといくら歩いても歩いても、いつの間にか元の場所に迷い戻るという。この悪霊は食べ物を供えると祓うことができるので山中を歩く時は弁当を少し残して、持って歩く必要があると考えられていた。 | ||
ほげたあく | 口答えする。 | 親にほげたあくとは一〇年早いわ | 親に口答えするとは一〇年早いぞ |
ほーせき | おやつ。 | 今日のほーせきは、まっくぁや | 今日のおやつはまくわうりだ |
ぼっこ | すごい。ひどい。 | おまえ、そないなことぐらいでぼっこなこと言いな | おまえ、そのようなことぐらいで、そんなひどいことを言うなよ |
奈良弁方言一覧表(マ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
まとう | 弁償する。 | おまえ、不注意で自動車壊してんさかいちゃんとまとてや | あなたの不注意で自動車を壊したのだからしっかりと弁償して |
まわり | 準備。 | はよ、まわりしーや。電車乗り遅れるでー | 早く、準備しなさいよ。電車に乗り遅れるよ |
むねやま | 畝傍山。 | こっから見るむねやまはえろきれいやなあ | ここから見る畝傍山はすごく綺麗だね |
もむない | まずい。 | このうどんもむないなー | このうどんまずいなあ |
奈良弁方言一覧表(ヤ行・ラ行)
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
やくたい | 手のつけ様もない。 | そこまで借金かさんだら、もう親戚もやくたいやで | そこまで借金がかさんだら、もう親戚も手のつけ様もないわ |
やにこい | 粗悪で貧弱な。 | このばった屋でこうたテレビはなんともやにこいんちゃうか | この量販店で購入したテレビはなんだか粗悪で貧弱と違うか |
よさり | 夜。 | この時期はよさり冷えるさかいにぬくうせなあかんで | この時期の夜は冷えるので温かくしないとだめだよ |
よーず | 梅雨時の蒸し暑い天候。 | ぼちぼちよーずやなー | そろそろ、梅雨時の蒸し暑い時期だあ |
ろっく | 平坦。平ら。 | 土台はろっくに削らなあかん | 土台は、平坦に削らなければだめだ |
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